過剰と流動


どうやっても人間の本質は変わらない。
僕は海外に逃亡してきて2ヶ月が経った。
高校を退学したぶり、つまり4年ぶりに学校に通っているんだけども僕が変わっていないことを痛感することばかりだ。

追い込まれると、医療に罹らないといけなくなるまで加減ができないし
出来るようになると調子に乗って続けてきた努力すら放棄してしまう。

きっと何事も過剰になることは決していいことではない。
非凡な人間になりたいと望んでいるからこそこうなってしまう。
結局、凡以下な人間なのだから身の丈に合った努力と地位を望み、目指すべきなのだと思う。

それでも人間だからより良いを目指してしまう。
生物の目的は「増えること」なのにそれ以外で求めすぎてしまう。
それが堪らなく苦しくて愛おしいとすら思ってしまう。
自己嫌悪かと思ば、誰かが渡してくれる愛でそんなものが一瞬で消えてしまったり。

悲観も計画も未来にするものであって、自分に必要なものは今を全力で生きることなのに。
期待してくれたり、優しくしてくれる人たちに報いることなのに。
それができない。

ありきたりで幸せな悩みなのに、どうにも苦しさは消えない。
そんなことを考えながら午前2時、異国の夜を歩いている。